訪問したことのない加工会社を見極める
現場を歩けないのなら、加工会社に現場を見せてもらうしかありません。加工の発注がうまくいくかどうかを決めることのほとんどは、保証の言葉ではなく証拠を求めれば、パソコンの前から確認できます。以下は実際に機能する手順で、最も早く絞り込める順に並べています。
会社案内ではなく、設備リストから始める
何よりも先に設備リストを依頼してください。メーカー、機種、台数、ストローク、製造年です。お客様のような仕事を毎週こなしている加工会社なら、1通のメッセージで答えます。お客様の部品を他社に回している会社は、答えが曖昧になるか、ウェブサイトの写真と合わないリストを送ってきます。
確認することはシンプルです。
- 加工範囲に、治具のスペースも含めて部品が実際に収まるか
- 加工できる機械が複数台あるか、それとも納期が1台の主軸の空き次第か
- 部品に必要なのがフライス加工か旋削か、あるいは両方か
- 部品の3面以上に形状がある場合、4軸目や5軸目があるか
次に、お客様の部品を加工する予定の機械の写真を、今日撮影したもので依頼してください。カタログの画像ではありません。この1つの依頼で、どんなアンケートよりも早く、実在の加工会社と仲介業者を見分けられます。
現地で何を調達しているかを尋ねる
材料の入手性は、ベトナムでの加工発注における目立たない制約であり、発注者が確認し忘れるものです。加工会社が現地の材料商から買い、特別注文なしで在庫している材種を尋ねてください。
一般的なアルミやステンレスの材種、一般鋼、標準的なエンジニアリングプラスチックは、通常は問題ありません。特定の調質、工具鋼、ニッケル合金、認証付きの航空宇宙グレードは輸入が必要なことがあり、切削を始める前にコストと数週間が加わります。仕入先や納期を挙げずに「何でも手に入る」と言う加工会社は、それを価格に織り込んでいません。納期が遅れたときに気づくことになります。
加工よりも検査の側を厳しく確認する
金属を削れる加工会社はほとんどです。削ったものを証明できる会社は多くありません。次のものを依頼してください。
| 依頼するもの | わかること |
|---|---|
| 検査室の写真 | 測定が管理された場所で行われているか、機械のテーブル上で行われているか |
| 測定機器のリスト | CMM、ハイトゲージ、ボアゲージ、表面粗さ計、それぞれの測定範囲 |
| 過去の仕事の寸法検査成績書のサンプル | 数値を記録しているか、チェックを付けているだけか。顧客情報は黒塗りで構いません |
| 校正証明書 | 測定器が誰かによって点検されていること、その日付 |
| 部品の合否を判断する人 | 「品質部門」ではなく、名前と役職 |
図面上の最も厳しい公差が、機器リストのどれよりも細かければ、たとえ加工できても部品を検証できません。このずれは発注後ではなく発注前に見つける価値があります。本当にそこまで厳しくする必要がある形状の判断方法は公差のガイドで、何を記録してもらうべきかは品質書類のガイドで説明しています。
無料サンプルではなく、有償サンプルを依頼する
無料サンプルは、間違った答えを引き寄せます。サンプルを無償で出す加工会社は、大口受注を得るためにコストを負担しているか(その場合、サンプルは経営者が全力で対応するため、通常の生産について何もわかりません)、無償品を安く抑えるために手を抜いているかのどちらかです。
少量の初回ロットを正規の価格で発注し、残りのロットを加工する前に初品検査を行ってください。3つのことが一度にわかります。公差を守れるか、正直に測定しているか、そして仕様から外れたときにどう対応するかです。最も重要なのは3つ目です。お客様が気づく前に、寸法が0.03 mm 超えていると伝えてくる加工会社は、付き合い続ける価値があります。
小口の発注は、段取り費が少ない個数にかかるため1個あたりが高く見えます。1つの数字ではなく数量別の価格表を依頼すれば、試作価格の裏にある実際の量産価格が見えます。詳しくは最小発注数量のガイドをご覧ください。
コミュニケーションを見る。それが商品そのもの
国境を越えた取引では、加工会社の技術的なコミュニケーションが、購入するものの大部分を占めます。最初のやり取りで次の点を確認してください。
- 図面について質問してくるか。 データムの設定が曖昧な部品を、何も尋ねずに見積もる加工会社は、後でもまた推測します。
- 返信の速さと、誰が返信してくるか。 すべてをエンジニアに伝言する営業担当が窓口だと、取引が続く限り、質問のたびに1日余計にかかります。
- 数字で書くか、形容詞で書くか。 「対応できます」よりも、「その穴はリーマーでプラスマイナス0.02 mm、フライス加工ならプラスマイナス0.05 mm です」のほうがよい答えです。
- 何かを変更したときにどうなるか。 見積の途中で小さな改訂を送り、価格と納期が更新されるか、変更が消えてしまうかを確認してください。
話を打ち切るべき危険信号
- 設備リスト、ウェブサイトの写真、所在地が一致しない。
- 明らかに質問が必要な図面なのに、何も尋ねずに見積を出す。
- 普段使っている出荷港やフォワーダーを明かさない。
- 初回発注で、生産前に全額の支払いを求める。
- すべての答えが「はい」である。
最後のものが最もよく見られます。部品を一度も断ったことのない加工会社は、お客様の図面を読んでいません。
印象ではなく、点数で評価する
メールでは3社ともまともに見えます。代わりに表を埋めてみると、違いが見えてきます。
| 確認項目 | 依頼した証拠 | 合格 |
|---|---|---|
| 機械が部品に合う | 設備リストと今日撮影した写真 | |
| 材料を現地で調達 | 材料商の名前と通常の納期 | |
| 検査がお客様の公差をカバー | 機器リストと数値入りの成績書サンプル | |
| 二次工程 | 各工程をどこで行い、どれくらい離れているか | |
| 輸出経験 | 港、フォワーダー、これまでに発行した書類 | |
| コミュニケーション | 図面について質問してきたか | |
| 誠実さ | 何かを断ったか、図面の問題を指摘したか |
最後の2行は、最初の5行が部品の出来を予測する以上に、取引関係を正確に予測します。データムの設定についてよい質問を1つしてきた加工会社は、1時間で価格を返してきた会社よりも、すでに多くのことを教えてくれています。
加工会社の所在地からは、どの外注先に手が届くかもわかります。詳しくはベトナムの加工会社の所在地のガイドで説明しています。
最後に、地味な項目を確認する
最後に、よい部品が実際にお客様の手元に届くかを決める事務面です。確認できる事業登録番号、国際出荷の経験という意味での輸出実績、個人名義ではなく会社名義の銀行口座、そしてファイルを受け取る前にNDAに署名する意思です。どれも加工能力を証明するものではありません。しかし、どれほど加工能力があっても解決できない種類の問題を防いでくれます。
読むのではなく実際に加工会社を比較する準備ができたら、図面をお送りください。部品に合うベトナムの加工会社最大3社にお渡しします。各社から直接お見積が届くので、返信のあった会社に上記の見極めを行ってください。
よくあるご質問
発注前に工場を訪問する必要がありますか?
小口の初回発注なら必要ありません。部品を加工する機械の写真、検査室の写真、初品検査報告書があれば、工場見学でわかることの大半がわかります。訪問や有償の第三者監査は、50個を買う前ではなく、年間の数量を移管する前に行ってください。
ISO 9001があれば十分な証明になりますか?
それが証明するのは文書化された仕組みがあることであり、その仕組みが守られていることや、お客様の公差を守れることではありません。判断材料の1つとして扱ってください。認証がなくても、きちんと測定した初品を送ってくる加工会社のほうが、出荷前に何も測定しない認証取得済みの加工会社よりも信頼できます。
加工会社が質問に答えてくれない場合は?
それが答えです。機械、検査機器、材料の仕入先を明かそうとしない加工会社は、仕事を他社に回しているか、受注できる自信がないかのどちらかです。どちらも、次を探す理由になります。