ベトナムからCNC加工部品を調達する手順
加工部品を新しい国に移管するときの課題は、ほとんどが絞り込みの問題です。加工そのものは標準的な作業です。うまくいかない原因は、移管する部品の選択を誤ること、誰も見積できない依頼を書くこと、そしてもともと比較できない数字を比べることです。以下の順序で進めてください。
ステップ1:最初に移管する部品を正しく選ぶ
部品表のすべての部品が、最初の候補として適しているわけではありません。最初の部品に向いているものには、いくつかの共通点があります。
- 図面が安定している。来月に改訂する予定がない。
- 数量が現実的である。加工会社は5個と500個では見積の出し方が違います。
- 材料が一般的である。アルミニウム、ステンレス、一般鋼、真鍮、標準的なエンジニアリングプラスチックは現地で調達できます。輸入が必要な合金は、切削を始める前にコストと数週間が加わります。
- 公差が正直である。テンプレートにそうあったという理由ですべての寸法に ±0.01 mm が入った図面は、本当にそれが必要だとみなして見積もられます。
- 輸出規制の対象ではない。防衛品、ITAR、デュアルユースの部品は別のプロセスであり、最初の調達には向きません。
最初の候補に向かないのはその逆です。発売期限のある新規設計品、試作1個だけの部品、材料を特定できない部品などです。
ステップ2:加工会社が推測せずに価格を出せるRFQを書く
見積が遅いのは、たいてい加工会社の対応が遅いからではありません。回答を待っているのです。その場で価格を出せる依頼には、次の内容が含まれています。
- STEPファイル、または寸法入りのPDF図面
- どの形状が重要で、どれが普通公差でよいかの注記
- 材料と調質、代替品を認める場合は「同等品可」の一言
- 表面仕上げと、表面処理やめっきがあればその仕様
- 今回の数量と、1年間の予定使用量
- 部品を受け取りたい希望日ではなく、実際に必要な日付
- 納品先の国と、港までの価格か戸口までの価格か
- 貨物と一緒に送る必要がある検査書類
初めての発注者が思う以上に、最後の2つは重要です。加工会社の出入口渡しの見積と、お客様の倉庫までの見積は、同じ部品でも別の数字になります。どの貿易条件で見積を依頼するかによって、価格に含まれる運賃と関税の範囲が決まります。
RFQの詳しいガイドには、コピーして使えるテンプレートと、各項目が価格を変える理由を載せています。
ステップ3:長いリストではなく、少数の加工会社に依頼する
1枚の図面を20社に送るのは効率的に感じますが、そうではありません。加工会社は依頼に優先順位をつけます。他に19社の名前が並んだ依頼には、早くて高めの安全な数字が返ってくるか、何も返ってきません。加工方法、材料、部品サイズが合うという理由で選ばれた3社は、ウェブサイトがあるという理由で選ばれた20社に勝ります。
ご自身で絞り込む場合、図面を送る前に尋ねる価値のある質問は次のとおりです。どんな機械を使っているか、最大加工サイズはどれくらいか、現地で調達している材料は何か、英語で見積を出せるか、直接輸出した経験があるか。加工会社の見極めチェックリストでは、それぞれの回答の裏付けとして何を求めるべきかを説明しています。
ステップ4:見積を正しく比較する
合計額を見る前に、見積の条件をそろえてください。
| 確認項目 | 重要な理由 |
|---|---|
| 同じインコタームズ | EXWの価格とDAPの価格は比較できない |
| 同じ数量 | 数字をよく見せるために、別の数量区分で見積もる会社もある |
| 工具と治具の費用 | 別項目のこともあれば、単価に含まれていることもある |
| 発注からの納期 | 材料が届いた日からではない |
| 除外されているもの | 輸出梱包、パレット、検査成績書 |
| 支払条件 | 初回発注では前払金が一般的 |
治具費が抜けていて、材料の調達に3週間かかる最安単価の見積が、実は一覧の中で最も高くつくことはよくあります。範囲をそろえたら、各見積を部品1個あたりの輸入総コストに換算し、ベトナムの数字と他の国の数字を同じ基準で並べてください。
ステップ5:失っても耐えられる初回発注を出す
初回発注は購入ではなく、費用を払って行う監査だと考えてください。ステップ1で選んだ部品を、遅れても吸収できる数量で発注し、全量の加工に入る前に初品検査を依頼します。この1ステップで、公差の読み違い、仕上げの誤り、図面とは異なるデータムの解釈など、問題の大半を見つけられます。
やり取りは書面で残してください。注文書には図面の改訂番号を明記します。部品の写真は、梱包後ではなく梱包前に送ってもらうよう依頼してください。
全体にかかる期間
発注者は加工の工程だけを計画して残りを忘れ、初回発注に見積の2倍の時間がかかったことに後で気づきます。現実的な最初のサイクルは次のようになります。
| 段階 | 管理する人 |
|---|---|
| RFQの作成と質問への回答 | お客様 |
| 見積 | 加工会社 |
| 注文書と前払金 | お客様 |
| 材料の購入 | 加工会社(同等材を認めた場合を除く) |
| プログラミング、治具準備、加工 | 加工会社 |
| めっきや熱処理などの二次工程 | 誰も直接連絡できない外注先 |
| 初品と、その承認 | 主にお客様 |
| 輸出梱包、書類、輸送 | 分担 |
8つの段階のうち3つは、実質的にお客様の担当です。漏れのないRFQ、材料への「同等品可」の記載、そして初品を2営業日以内に承認する担当者を決めておくことで、たいていは加工会社のどんな努力よりも多くの日数を初回発注から削れます。納期の内訳では、各段階を順に説明しています。
ステップ6:取引関係をどうするか決める
問題のない発注を1回終えると、価格以上に価値のあるものが手に入ります。お客様の図面を読めることを証明した加工会社です。次の部品、年間数量、在庫契約について話すのはこのタイミングです。同時に、既存の仕入先を切るのではなく維持するタイミングでもあります。目的は2社目の調達先を持つことであり、1社目を壊さずに2社を並行して運営する手順は2社目調達先のプレイブックにまとめています。
絞り込みを任せたい場合は、図面をお送りください。その材料と数量をすでに手がけているベトナムの加工会社最大3社にお渡しします。最初の返信から、各社と直接やり取りしていただけます。
よくあるご質問
ベトナムから加工部品を買うのに代理人は必要ですか?
いいえ。加工会社を見つけた後は、直接取引している発注者が多くいます。代理人が省いてくれるのは探すことと絞り込むことであり、購入そのものではありません。きちんと見積を出し、納期どおりに納める加工会社が見つかれば、取引関係はご自身で運営できます。
現実的な初回発注とはどのようなものですか?
すでに購入している部品を、失敗しても対応できる数量で発注することです。図面が安定していて数週間分の在庫があるリピート部品のほうが、発売日が決まっている新規設計品よりも初回発注に向いています。
発注前に加工会社を訪問すべきですか?
小口の初回発注であれば、通常は必要ありません。実際にリスクのある部品や、年間の数量を移管する前であれば、訪問や有償の第三者監査は費用に見合います。部品を加工する機械や検査機器の写真を依頼することもできます。