CNC加工の見積に実際に含まれているもの
加工の見積は1つの数字で届くため、反論しにくいものです。しかしその下には6つか7つの項目があり、それぞれの積み上げ方を知っていれば、何を質問すべきか、図面のどこを変えれば実際に価格が動くのかがわかります。
以下は、加工会社がお客様の部品を見積もるときに足し合わせているものです。
1. プログラミングと段取り
CAMプログラミング、治具の設計、生爪の製作や修正、初品の確認加工、そしてお客様の仕事を流すための工具交換です。この費用は数量にかかわらず、発注ごとに1回かかります。
1個から10個なら、段取りが価格の大半を占めることもよくあります。1,000個なら、1個あたりの数字の中に埋もれて見えなくなります。試作を見積もる加工会社と量産を見積もる加工会社が、まるで別の部品の価格を出しているように聞こえるのはこのためです。実際、別物なのです。
費用が増える要因: 段取り回数の増加、特殊な固定方法、初めて加工する部品、厳しい初品要求。
お客様が変えられること: リピート発注にして段取り費を分散させること、そして少ない段取りで固定できるように部品を設計することです。
2. 材料
完成品の重量ではなく、部品を削り出す元の素材の費用です。完成時に200グラムの部品が、1.2キログラムのブロックから始まることもあり、お客様が支払うのはそのブロックの分です。
この項目を左右するのは次の3点です。
- 材種と形状。 現地の材料商が在庫している一般的なアルミ棒材なら、早く安く見積が出ます。特定の調質、工具鋼、輸入が必要なニッケル合金は、コストと数週間の両方が加わります。
- 素材サイズ。 部品の幅が52 mm で、材料商の在庫が50 mm と60 mm の棒材であれば、60 mm を買って大部分を削ることになります。
- 切りくず。 大きな内部ポケットのある部品を無垢材から削り出すと、高価な切りくずが出ます。
お客様が変えられること: 材種の横に「同等品可」と書くこと、そして重要でない寸法を調整して標準素材に収まるようにすることです。
3. 加工時間
部品1個あたりの実際の機械稼働時間に、加工会社の時間単価を掛けたものです。時間単価には機械、オペレーター、工具、電力、間接費が含まれます。
加工時間は、除去する材料の量、その材料でどれだけ速く削れるか、そして荒加工ではなく仕上げ加工に費やす時間の割合で決まります。厳しい公差や細かい表面粗さは遅い仕上げ加工を増やします。公差が図面からは見えない形で高くつくのはこのためです。
お客様が変えられること: 不要に厳しい公差をなくすこと、内角のRを大きくして太い工具を使えるようにすること、そして細長い工具をゆっくり回す必要のある深くて狭いポケットを避けることです。
4. 工具
標準的な刃物は時間単価に含まれています。特殊なものは含まれていません。総形工具、特注リーマー、深い形状用のロングリーチ工具、特殊サイズのスレッドミルなどです。
特殊工具が一度きりの費用として見積もられているのか、単価に分散されているのかを確認し、その後の所有者が誰になるのかも尋ねてください。お客様が費用を払ったのであれば、リピート発注で再度見積もられるのではなく、そのまま使えるはずです。
5. 二次工程
アルマイト、めっき、不動態化処理、熱処理、塗装、レーザーマーキング、そして通常の糸面取りを超えるバリ取りです。これらはほとんどが外注されるため、加工会社は外注先の価格に、手配の手間、運搬、そしてロットが不良で戻ってくるリスクを上乗せして転嫁しています。
この項目は発注全体の中で最も納期が長くなりやすく、最も遅れやすいものでもあります。スケジュールにどう組み込まれるかは、納期の内訳をご覧ください。
お客様が変えられること: 仕上げが不要なら「削り出しのまま」と指定すること、そして特殊な表面処理より一般的なものを選ぶことです。
6. 検査と書類
部品の測定には機械とオペレーターの時間がかかり、書類の作成にはさらに費用がかかります。
| レベル | 内容 |
|---|---|
| 工程内検査 | オペレーターが加工中に主要寸法を測定する。通常は価格に含まれる |
| 初品検査報告書 | 最初の1個で図面上の全寸法を測定し記録する |
| 全寸法検査成績書 | サンプルで全寸法を測定する。重要形状は全数測定 |
| 材料証明書 | 製鋼所から引き継ぐもの。認証付き素材を特別に購入する必要がなければ安価 |
| 適合証明書 | 宣言書であり、実質的に無料 |
実際に読む書類を依頼してください。誰も測らないブラケットの全寸法検査成績書は、ファイルを埋めるためにお金を使うことです。はめあい部品の初品検査は、この表の中で最も費用対効果の高いものです。
7. 梱包と輸送
輸出梱包、防錆(VCI)袋、パレット、木箱、そしてインコタームズによって価格に含まれる運賃の部分です。DAPの見積には輸送費がすべて含まれます。EXWの見積には一切含まれず、これが同じ部品の2つの見積が3分の1ほど違うことがある主な理由です。
よい見積の形
| 項目 | 50個 | 500個 |
|---|---|---|
| プログラミングと段取り | 一度きり | 一度きり、より広く分散 |
| 1個あたりの材料 | 同じ | まとめ買いでやや低い |
| 1個あたりの加工 | 同じ | オペレーターの習熟でやや低い |
| 1個あたりの二次工程 | 同じか低い | 低い、ロットの最低数量を満たす |
| 検査 | 固定費と1個あたりの費用 | 固定費と1個あたりの費用 |
| 梱包と輸送 | 出荷ごと | 出荷ごと |
数量に応じて大きく下がるのは段取りだけであることに注目してください。これがコスト曲線の形であり、10個から100個への変化が、500個から1,000個への変化よりもはるかに1個あたりの価格を動かす理由です。
見積について尋ねる価値のある質問
- 段取り費は別項目ですか、それとも単価に含まれていますか?
- 図面どおりの部品に、段取りは何回必要ですか?
- どのサイズの素材を購入しますか? もっと適したサイズはありますか?
- 普通公差を緩めたら、どの項目が最も下がりますか?
- 特殊工具は含まれていますか? その所有者は誰ですか?
- 除外されているものは何ですか? 梱包、書類、輸送は?
- 納期は発注からですか、それとも材料の入荷からですか?
役に立つのは4番目の質問です。価格の交渉を設計についての会話に変えてくれます。本当にお金が動くのは設計のほうです。何を変えるかがわかったら、設計変更のガイドで具体的な変更点を確認してください。
1つの数字ではなく内訳付きの見積が欲しい場合は、RFQにその旨を書いてください。こちらから図面をお送りいただければ、ベトナムの加工会社最大3社がお見積を出します。
よくあるご質問
加工会社に見積の内訳を求めるべきですか?
はい。ほとんどの加工会社は応じてくれます。内訳のある見積なら、どの項目を見直すべきかがわかり、合計額が違っても2つの見積を比較できます。内訳の提示を断る加工会社は、大きな利幅を隠しているか、自社でも原価を把握していないかのどちらかです。
数量を2倍にしたのに、1個あたりの価格がほとんど下がらないのはなぜですか?
段取り費がすでに十分に薄まっていて、残りのコストが加工時間と材料であり、これらはほぼ比例して増えるからです。大きく下がるのは1個から50個の間です。数百個を超えると、工程か設計を変えない限り、数字はあまり動きません。
安い見積は必ず質が悪いのですか?
必ずではありませんが、価格より先に範囲を確認してください。安い見積は、他の見積に含まれている検査書類、輸出梱包、表面仕上げが除外されていることがよくあります。まず範囲をそろえてから比較してください。